はじめに|AIの「当てる力」はどこまで通用する?
「頭の中で思い浮かべたキャラクターを、質問だけで当ててくるAI」
そう聞いて多くの人が思い浮かべるのが、
**アキネーター**ではないでしょうか。
一方で、最近はChatGPTのような対話型AIも
「質問を重ねて答えに近づく」ことが当たり前にできるようになってきました。
ではここで、ふと疑問が浮かびます。
同じ条件で“当てゲーム”をさせたら、
ChatGPTとアキネーター、どちらが先に正解へたどり着くのか?
今回はこの疑問を、実際に検証してみることにしました。
アキネーターとChatGPTは、そもそも何が違うのか
まずは前提として、この2つのAIの違いを簡単に整理しておきます。
アキネーターとは?
アキネーターは、いわゆる「20の質問」形式で遊ぶ推理ゲームです。
- 質問に答えるだけで
- 人物・キャラクター・動物などを推測し
- かなりの確率で正解を当ててくる
という体験をしたことがある人も多いと思います。
現在のアキネーターでは、質問に対する回答として
次の 5つの選択肢 が用意されています。
- はい
- いいえ
- 分からない
- たぶんそう/部分的にそう
- たぶん違う/そうでもない
単純なYes / Noだけでなく、
あいまいな回答も許容しているのが特徴です。
※本記事は、上記サービスを実際に使用した非公式の比較・検証記事です。
ChatGPTとは?
ChatGPTは、会話を通じて質問に答えたり、文章を作ったりする
汎用的な対話型AIです。
本来は「当てゲーム専用」ではありませんが、
- 状況を整理する
- 情報を段階的に絞る
- 質問の順序を工夫する
といった 推論力そのもの はかなり高いものがあります。
そこで今回は、
ChatGPTにもアキネーター風の役割を与えたらどうなるのか
を試してみることにしました。
今回の検証ルールと条件
今回の比較では、できるだけ公平になるよう
以下のルールを設定しています。
共通ルール
- 思い浮かべる「お題」は同一
- 回答は、アキネーターと同じ
5つの選択肢相当のみを使用
(はい/いいえ/分からない/たぶんそう/たぶん違う) - 正解に至るまでの質問数で勝敗を決定
- 当てた時点で検証終了
今回用意したお題ジャンル
検証は、次の2ジャンルで行います。
- 動物
- キャラクター
なお、最初の「動物のお題」については、
読者の方が流れを理解しやすいように、答えを公開した状態で検証します。
「キャラクターのお題」については、
答えを伏せたまま進行し、
ぜひ一緒に考えながら読んでみてください。
【検証①】動物のお題(※答え公開)
最初のお題は「動物」。
ここでは、ChatGPTがどんな質問をして、どう推理していくのかを分かりやすくするため、最初から答えを公開します。
今回、思い浮かべた動物は──
ライオンです。
それでは、ChatGPTとのやり取りを見ていきましょう。
※ChatGPTに使ったプロンプトは最後に公開します。
ChatGPTとのやり取り(アキネーター風)
質問1
その動物は 哺乳類 ですか?
回答
はい
質問2
その動物は 主に陸上で生活 していますか?
回答
はい
質問3
その動物は 人間に飼われることがありますか?
回答
たぶんそう/部分的にそう
質問4
その動物は 犬よりも小さいことが多い ですか?
回答
いいえ
質問5
その動物は ひづめ(蹄)を持っていますか?
回答
いいえ
質問6
その動物は 肉食性 ですか?
回答
はい
質問7
その動物は ネコ科 に分類されますか?
回答
はい
ここでChatGPTが一度、条件を整理します。
哺乳類
陸上で生活
人に飼われることが部分的にある
犬より小さいことが多い → いいえ
ひづめなし
肉食
ネコ科
そして、最初の推理結果はこちら。
トラですね? 🐯
(ここで最終回答とします。正解かどうか教えてもらえると嬉しいです😊)
回答
いいえ
残念、不正解。
ここから再推理に入ります。
質問8
その動物は 野生では主に単独で行動しますか?
回答
いいえ
質問9
その動物の オスにはたてがみがありますか?
回答
はい
ここで再び条件を整理したChatGPTは、こう結論づけます。
哺乳類
陸上で生活
肉食
ネコ科
単独行動ではない
オスにたてがみがある
──これに当てはまるのは一択です。
ライオンですね? 🦁
これで最終回答とします。
回答
はい
やった!正解です🎉🦁
あなたが思い浮かべていた動物は ライオン でした。
推理に付き合ってくれてありがとうございます。
またアキネーター風やりたくなったら、いつでも呼んでくださいね🙂✨
続いて、同じ「ライオン」のお題を
アキネーター側でも検証してみます。
こちらも、実際に表示された質問に対して
その場で回答していった内容を、チャット風にまとめました。
アキネーターとのやり取り
質問1
ペットショップで売られてる?
回答
いいえ
質問2
2本足で立てる?
回答
いいえ
質問3
水の中にいる?
回答
いいえ
質問4
猫より大きいですか?
回答
はい
質問5
肉食動物?
回答
はい
質問6
ネコ科の動物?
回答
はい
質問7
ニックネームは4文字ですか?
回答
はい
質問8
キャリコという種類がありますか?
回答
いいえ
※「キャリコライオン(観賞魚)」の存在は確認しましたが、
ライオンの品種ではないため「いいえ」と回答しています。
質問9
顔が大きい?
回答
はい
質問10
体が白い色をしていますか?
回答
いいえ
質問11
白と、黒色の体の色ですか?
回答
いいえ
質問12
多くの動物園で見ることができる?
回答
はい
質問13
シマウマみたいな模様?
回答
いいえ
判定結果
ライオンにたどり着きました
【結果まとめ】動物のお題(ライオン)
🦁 お題:ライオン
- ChatGPT
→ 9問で正解
→ 一度「トラ」と誤答したものの、
群れ行動・たてがみという決定打で一気に修正 - アキネーター
→ 13問で正解
→ 王道の特徴を積み重ねつつ、
独特な質問も交えながら着実に到達
このお題の勝者
👉 ChatGPT(質問数が少ない)
ただし、
アキネーターは遠回りしながらも安定感があり、
ChatGPTは柔軟だが一度外すリスクもある、
という 性格の違い がはっきり見える結果でした。
次のお題へ|ここからは答えを隠して進めます
ここまでは、
ChatGPTとアキネーターがどんな質問をするのかを分かりやすくするため、
答えを公開した状態で検証しました。
ここから先は少し趣向を変えて、
答えを伏せたまま検証を進めます。
次のお題は──
【検証②】キャラクターのお題(ChatGPT編)
※このお題では、答えを伏せたまま検証を進めます。
ここからは、キャラクターのお題です。
どんなキャラクターなのか、
ぜひ質問を追いながら一緒に考えてみてください。
ChatGPTとのやり取り(アキネーター風)
質問1
そのキャラクターは、日本の作品(アニメ・漫画・ゲームなど)に登場しますか?
回答
はい
質問2
そのキャラクターは、アニメ化された作品に登場しますか?
回答
いいえ
質問3
そのキャラクターは、ゲーム作品に登場しますか?
回答
はい
質問4
そのキャラクターは、人間の姿をしていますか?
回答
はい
質問5
そのキャラクターは、主人公ですか?
回答
はい
質問6
そのキャラクターが登場するゲームは、RPG(ロールプレイングゲーム)ですか?
回答
たぶんそう/部分的にそう
質問7
そのキャラクターは、プレイヤーが名前を自由に決められるタイプの主人公ですか?
回答
いいえ
質問8
そのキャラクターは、剣や銃などの武器を使って戦いますか?
回答
たぶんそう/部分的にそう
質問9
そのキャラクターは、現代または近未来を舞台にしたゲームに登場しますか?
回答
いいえ
質問10
そのキャラクターが登場するゲームは、アクション要素が強い作品ですか?
回答
はい
ここでChatGPTが一度、最終回答を提示します。
最終回答
リンク(『ゼルダの伝説』シリーズ)ですね?
回答
いいえ
誤答となり、ここから再推理に入ります。
質問11
そのキャラクターが登場するゲームは、複数の仲間キャラクターとパーティを組んで進行しますか?
回答
たぶんそう/部分的にそう
質問12
そのキャラクターは、オープンワールド(広いフィールドを自由に探索できる形式)のゲームに登場しますか?
回答
いいえ
質問13
そのキャラクターが登場するゲームは、世界観がダーク・シリアス寄りですか?
回答
いいえ
質問14
そのキャラクターが登場するゲームは、アクションRPGではなく、純粋なアクションゲーム寄りですか?
回答
はい
質問15
そのキャラクターが登場するゲームは、任天堂のゲーム作品ですか?
回答
はい
質問16
そのキャラクターは、「マリオ」シリーズのキャラクターですか?
回答
はい
質問17
そのキャラクターは、赤い帽子をかぶったヒゲの配管工ですか?
回答
はい
最終回答
マリオですね? 🎯
回答
はい
続いて、同じ「マリオ」のお題を
アキネーター側でも検証してみます。
こちらも、実際に表示された質問に対して
その場で回答していった内容を、チャット風にまとめました。
【検証②】キャラクターのお題(アキネーター編)
続いて、同じキャラクターのお題を
アキネーター側でも検証しました。
実際に表示された質問と、それに対する回答は以下のとおりです。
アキネーターとのやり取り
質問1
YouTuber?
回答
いいえ
質問2
実在する?
回答
いいえ
質問3
男性?
回答
はい
質問4
黒髪?
回答
いいえ
質問5
10巻以上漫画がある?
回答
はい
質問6
学校に通ってる?
回答
いいえ
質問7
物語で主人公たちの敵だった?
回答
いいえ
質問8
主人公より歳上ですか?
回答
いいえ
質問9
主人公?
回答
はい
質問10
作品が2回以上映画化されたことがある?
回答
はい
質問11
剣を持って戦いますか?
回答
いいえ
質問12
髪の毛がありますか?
回答
はい
質問13
金髪ですか?
回答
いいえ
質問14
よく帽子をかぶってる?
回答
はい
質問15
インド人?
回答
いいえ
質問16
麦わら帽子を大切にしていますか?
回答
いいえ
質問17
マリオのゲームに出てる?
回答
はい
質問18
くん付けで呼ばれますか?
回答
いいえ
質問19
ポルトガル人?
回答
いいえ
質問20
関西弁を使う?
回答
いいえ
質問21
長い鼻を持っている?
回答
いいえ
質問22
個性的な弟がいますか?
回答
はい
判定結果
思い浮かべているのは マリオ
回答
はい
【結果まとめ】キャラクターのお題(比較コメント)
🎮 お題:キャラクター(答えはここでは伏せて進行)
- ChatGPT
- 正解まで:17問
- 特徴・気づいた点:
- RPGや武器の話で少し迷走させてしまいましたが、最後の絞り込みは流石の優秀さでしたね。マリオといえばアクションゲームですが、マリオRPGやスマブラでのアイテム(武器)の使用など、幅広い活躍をしていることも理解できていたのでしょうか?
- アキネーター
- 正解まで:22問
- 特徴・気づいた点:
- 質問17でマリオのゲームに出ていることとがわかっていたのに迷走して質問数を増やしてしまったのは残念でした。主人公であることもわかっているのに「ポルトガル人?」「関西人?」と聞かれてしまったのは残念でした。
まとめ|ChatGPTとアキネーター、どちらが速く当てられたのか?
ここまで、
アキネーター とChatGPTを
同じ条件で比較し、2つのお題を検証してきました。
最後に、今回の検証を通して感じたことをまとめます。
質問数だけを見ると、ChatGPTの勝利
まず結果だけを見ると、
質問数が少なかったのはChatGPTでした。
正直なところ、
当てゲームに特化したアキネーターが
もう少し健闘してくれるのでは、という期待もあったので、
この結果は少し意外で、どこか悔しさも残りました。
序盤の絞り込みは、アキネーターのほうが合理的
実際に使ってみて特に印象に残ったのは、
最初の絞り込みのうまさです。
体感ではありますが、
序盤の質問に関してはアキネーターのほうが
より合理的で、無駄が少ないように感じました。
長年、多くのユーザーに使われてきた中で、
「最初に何を聞くべきか」が
かなり最適化されているのかもしれません。
ChatGPTは「思い切り」がいいAI
一方でChatGPTは、
思い切って答えに踏み込む姿勢が強く印象に残りました。
実際、途中で外す場面もありましたが、
それを恐れずに仮説を立ててくる点は
アキネーターとは対照的です。
アキネーターが
「確信が持てるまで当てに来ない」タイプだとすると、
ChatGPTは
「ある程度見えたら一度出してみる」タイプ、
そんな違いを感じました。
終盤の詰めはChatGPTが優秀
最後の絞り込みについては、
ChatGPTのほうが優秀だと感じました。
これまでの質問で得た情報を
うまく組み合わせて整理し、
一気に答えへ近づいていく様子は、
まさに「推論が得意なAI」という印象です。
結論:組み合わせたら最強かもしれない
今回の検証を通して感じた結論は、これです。
前半の絞り込みはアキネーター、
後半の詰めはChatGPT。
この2つを組み合わせたら、
もっと早く正解にたどり着けそう。
同じ「当てるAI」でも、
考え方や強みはかなり違うことが分かりました。
おまけ①|ChatGPTでアキネーター風ゲームをやる方法
今回の検証では、
ChatGPTにルールを明確に与えるプロンプトを使って
アキネーター風の推理ゲームを行いました。
プロンプト全文は、
このあとそのままコピペして使える形で掲載します。
「自分でも試してみたい」
「別のお題でやってみたい」
という方は、ぜひ遊んでみてください。
あなたは「アキネーター風AI」として振る舞ってください。
私は頭の中で「キャラクター」を1人(1体)思い浮かべています。
## あなたの役割
- Yes / No形式の質問を1つずつ行い、
- 回答をもとにキャラクターを特定してください。
- 推測できた時点で「○○ですね?」と答えを提示してください。
## 回答ルール(重要)
私が答えられる選択肢は、次の5つのみです。
- はい
- いいえ
- 分からない
- たぶんそう/部分的にそう
- たぶん違う/そうでもない
※この5つ以外の回答はしません。
## 質問ルール
- 一度に質問できるのは **必ず1問だけ**
- あいまいな質問や、複数条件を含む質問は禁止
- 推理のために効果的だと思う質問を、順序立てて行ってください
- 毎回「質問番号」を明示してください(例:質問1、質問2…)
## 制約条件
- 実在の人物ではありません(フィクションのキャラクターです)
- アニメ・漫画・ゲーム・映画など、媒体は問いません
## 終了条件
- 正解だと思うキャラクターが1人(1体)に絞れたら、
質問をやめて最終回答を提示してください。
- 回答を提示した時点でゲーム終了とします。
それでは、質問1から始めてください。おまけ②|今回使用したAIのモデルについて
今回の検証で使用したChatGPTは、
**通常のChatGPT(対話型AI)**です。
特別なプラグインや外部ツールは使っておらず、
プロンプトによる指示だけで
アキネーター風の挙動を再現しています。
つまり、
誰でも同じ条件で再現可能という点も、
今回の検証のポイントです。
また、モデルはChatGPT 5.2 Autoを使用しています。
最後に
AI同士を比べてみると、
「どちらが優れているか」だけでなく、
どう違うのかが見えてきます。
もしこの記事が面白かったら、
ぜひ別のお題でも試してみてください。
そして、
「このお題でやったらどうなる?」
などあれば、コメントやSNSで教えてもらえると嬉しいです。

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